行為能力というのは、単独で契約などの法律行為をすることができる法律上の資格のことをいいます。 民法では「私権の享有は出生に始まる」と定められているように、すべての人間は出生により当然に権利能力を取得するとされています。 ただし、不動産取引のような契約が効力を主ずるには、行為の結果によって自分の権利義務が変動することを弁識する意思能力※を有することが前提として必要となります。 ※物事の筋道をわきまえる識る能力のことです。
行為能力の制度については、民法では、従来は次の3つの類型を設けていて、行為無能力者とか無能力者と呼んでいました。 ■未成年者 ■禁治産者 ■準禁治産者 しかしながら、平成12年の民法改正で、未成年者に対する制度は残すものの、新たに成年後見制度を設けて、禁治産・準禁治産の制度は廃止し、後見・保佐・補助の3類型が導入されました。 なお、従来の「無能力者」という表現も「制限能力者」に改められました。